デジタル遺品とは、故人が使っていたスマートフォンやパソコンなどの機器、その中の写真・文書、インターネット上のアカウントや契約などをまとめた呼び方です。法律上すべてが同じ扱いになるわけではなく、端末、データ、契約、財産を分けて確認する必要があります。
整理の第一歩は、パスワードを推測して中身を見ることではありません。端末と書類を保全し、何を残したいか、契約を止めたいか、財産の確認が必要かを家族で整理して、各サービスの公式手続きを選びます。

記事監修者プロフィール
遺品整理士歴10年、これまでに5,000件以上の遺品整理や特殊清掃に携わる。手がけた遺品整理で発見された貴重品のうち、お返ししたタンス預金の合計だけでも3億3千万円にも上り、貴金属などの有価物を含むと5億円近くの金品を依頼者の手元に返して来た。
遺品を無駄にしないリユースにも特化。東南アジアへの貿易を自社にて行なっており、それに共感を覚える遺族も非常に多い。また不動産の処分も一括で請け負い、いわるゆ「負動産」を甦らせる取り組みにも尽力して来た。
一般社団法人ALL JAPANTRADING 理事
一般社団法人家財整理相談窓口会員
一般社団法人除染作業管理協会理事
宅地建物取引士(日本都市住宅販売株式会社代表取締役)
株式会社RISE プロアシスト東日本
代表 仲井
デジタル遺品とは?4つに分けて考える
| 分類 | 主な例 | 最初の確認 |
|---|---|---|
| 機器 | スマホ、パソコン、タブレット、外部メモリー | 所有者、貸与品か、破損の有無 |
| データ | 写真、動画、メール、文書、連絡先 | 残したい物、第三者の情報 |
| アカウント・契約 | SNS、クラウド、通信、サブスク | 公式の故人手続き、請求元 |
| 財産に関係する情報 | ネット銀行、証券、決済、暗号資産等 | 存在の記録、金融機関・専門家への確認 |
「デジタル資産」「デジタル遺産」という言葉も使われますが、一般的な呼び方だけで法的な扱いは決まりません。個別の財産・契約・権利は、提供会社や専門家へ確認します。
遺品整理でデジタル機器が見つかったときの初動
- 端末、充電器、記憶媒体、契約書をまとめて保管する
- 会社・学校・他人からの貸与品でないか確認する
- パスワードや暗証番号の推測入力をしない
- 家族共有の写真や既存バックアップを確認する
- 請求明細から契約候補を一覧にする
- 残したいデータを確認してから公式窓口へ連絡する
端末を初期化・売却・回収へ出すと、後からデータを確認できなくなる場合があります。反対に、故人本人としてオンラインサービスへログインすると、利用規約や権限の問題が生じることがあります。何のために確認するのかを先に決めます。
よくある4つの困りごとと対応先
スマホやパソコンのロックが解除できない
誕生日などを試したり、解析ソフトを使ったりせず、端末を保全します。端末本体の画面ロックと、クラウド上のアカウントは別の問題です。Apple・Googleなどの公式窓口と、残したいデータの有無を確認します。
詳しくは故人のスマホがロック解除できないときの公式手続きをご覧ください。
故人のパソコンを処分してよいか分からない
貸与品、仕事の資料、写真、外部メモリーを確認してから、データ消去と機器回収を分けて検討します。メーカー回収、自治体、小売店などの条件は同じではありません。
故人のパソコンを処分する前の確認手順で詳しく解説しています。
サブスクの請求が続いている
支払方法を止めることと、サービスを解約することは別です。正当に確認できる明細や契約書からサービスを特定し、各社の死亡時手続きへ連絡します。データが保存されているサービスは、削除前に残す物を確認します。
故人のサブスクを安全に解約する手順をご覧ください。
生前に何を残せばよいか分からない
パスワード一覧ではなく、サービス名、用途、支払方法の種類、データの希望、最終更新日を記録した台帳を作ります。AppleやGoogleなどが提供する公式の継承・無効化設定も確認します。
パスワードを書かずに進めるデジタル終活をご覧ください。
デジタル遺品でしてはいけないこと
- 故人の暗証番号・パスワードを何度も推測する
- 他サービスで使われていたパスワードを流用して試す
- 故人本人としてネット銀行やSNSへログインする
- 残したいデータを確認する前にアカウントを閉鎖する
- 決済を止めれば契約も終了すると考える
- 会社や学校の貸与端末を家族の判断で操作・処分する
- 出所の分からない解除・消去ソフトを利用する
写真・連絡先を急いで探したい場合
葬儀の遺影や連絡先が必要でも、まず家族が正当に利用できる場所を確認します。
- 家族共有の写真アルバム
- 過去に家族へ送られた写真・メール
- デジタルカメラ、SDカード、印刷写真
- 家族が管理するパソコンの既存バックアップ
- 年賀状や紙の住所録
端末の解除ができないことと、写真や連絡先が他に存在しないことは同じではありません。
金融・相続に関係する情報が見つかったら
金融機関名、サービス名、郵便物、明細など、存在を示す情報を保管します。保存された認証情報でログインして残高を動かすのではなく、金融機関の公式窓口へ死亡後の手続きを確認してください。
相続放棄、遺産分割、税務申告などの判断が関係する場合は、家庭裁判所、弁護士、税理士など適切な専門家へ相談します。この記事は個別の権利や相続判断を示すものではありません。
デジタル機器を処分する前のチェックリスト
- 所有者・貸与元を確認した
- 家族が残したいデータを確認した
- 外部メモリーと付属品を確認した
- 契約・財産の手掛かりを保管した
- データ消去の範囲と方法を確認した
- メーカー・自治体等の公式回収条件を確認した
- 回収先の個人情報管理と費用を確認した
家財整理とデジタル遺品を一緒に進める
デジタル機器は、机の引き出し、収納箱、書類棚、家電の付属品の中から見つかることがあります。端末だけでなく、契約書、充電器、外部メモリー、鍵を関連付けて保管することが大切です。
プロアシスト東日本では、スマートフォンやパソコンを一般の家財と一緒にむやみに処分せず、ご家族へ確認して仕分けます。アカウントへのログインや端末解除の代行ではありませんが、重要書類や記憶媒体を探しながら家財整理を進められます。お問い合わせフォームからご相談ください。
まとめ
デジタル遺品は、機器、データ、アカウント・契約、財産に関係する情報へ分けて考えます。最初からロック解除や処分を目指さず、端末を保全し、目的を決め、各社の公式手続きを確認してください。
スマホ、パソコン、サブスク、生前準備にはそれぞれ固有の手順があります。総合記事で無理に一つの方法へまとめず、困りごとに合う専門ページから進めることが安全です。







