ご家族や親戚の方がお亡くなりになったり、施設に入居される事によって誰も住まなくなってしまった家を空き家といいます。
空き家は、現在社会的な問題として広がっており、全国の住宅の7軒に1軒は空き家であると言われています。空き家を放置しておくとどうなってしまうのでしょうか。
◇物件としての価値が下がる
空き家を長年放置しておくと、誰もその家を使っていなかったとしても築年数は経過を続けている計算になってしまうため、売却時の価値というものが下がってしまいます。実際、木造の家ですと骨組みの劣化が進み、リフォームの必要性が高まっていくのは事実です。
いつか片付けようと思って、空き家の家財も整理せずに放っておくと、みるみるうちに物件としての価値は下がり売却時に得られる金額というのは減ってしまう可能性があります。
◇リノベーションが難しくなる
近年、人が住まなくなった空き家の活用法としてリノベーションというものが注目されています。
リノベーションとは、住宅の既存の骨組みや土台の形はそのままに部屋の間取りや外観を大きく改装することによって、新たな価値のある住宅をつくるというものです。土地を必要とせず、既存の枠組みを活かしながら家をつくることができ、資源の有効活用という観点で推奨されています。
そんなリノベーションですが、既存の住宅の骨組みが腐食してしまっていたり、壁材が劣化してしまっていたりすると改装にかかる費用が増加するため、工事が大掛かりになってしまいます。
もう少し早く着工ができていれば補強で済んでいたところを、「作り替え」にしなければならないなどといった理由で、費用も高くなってしまうのです。
リノベーションは、現在では空き家を持つ人たちにとって最も有効的な活用方法となっています。そのため、できるだけ早い段階でリノベーションができるような状態にしておくことは重要なのです。
今はまだそのような考えがないという方も、最低限住宅を元の状態に戻しておくという意味で、空き家の整理は行うようにしましょう。
◇家財の価値も下がり、家の腐食も進む
人の住まなくなった空き家は、朽ちていくのも早いと言われています。
家の掃除や換気をする人がいないため、湿気やカビの温床となってしまう事や、害虫・害獣の楽園となってしまうのが大きな原因です。
その状況下で家財までそのまま放置してある場合はどうでしょうか。
空き家整理を行った際、その年月や環境に沿って家財にも相応なダメージがあります。
代表的な例として布団。昔ながらの古い家には布団がたくさん残されている事が多く、その大半はカビてしまっています。またネズミが繁殖し布団を食いちぎって劣悪な状態になってしまっている事も少なくありません。
そうなると、布団の存在によってカビと湿気で押入れの壁や床が抜けたり、ネズミやゴキブリの糞尿などで汚染され、とても清掃で再生できる範疇を超えていまいます。
家具や衣類なども同様で、本来リサイクルできたはずの物も、全く再利用できない状態になってしまいます。
それはつまり、家屋自体の劣化を早くし、価値を下げる事につながります。
このような事から、家財を整理される事により屋内に湿気を貯めにくくし、害虫や害獣が住み着くリスクを大きく減らす事が出来ると言えます。
◇まとめ
空き家は長い間そのままの状態で放っておくと、悪い状況を招く一方です。上記では、物件の価値としての低下やリノベーションの難化を挙げましたが、さらに身近なところで言うと、空き家の放置は倒壊の危険性というのもはらんでいます。
空き家が日本中に乱立する状態になってしまうと、一つの災害で完全に倒壊してしまう住宅が増え、国側の対処にも時間がかかってしまいます。
こういった観点から政府も、空き家の改装に対して補助金を出すなど、空き家対策に力を入れるようになってきました。
空き家をお持ちの方で、まだ整理ができていないという方は、なるべく早く着手ができるようにしましょう。