「特殊清掃って何だろう?」
「特殊清掃なんて聞いたこともない。」
「特殊清掃」と聞いて、何だかよく分からないという印象をお持ちの方がいらっしゃるのではないでしょうか。
確かに滅多に聞く言葉ではないので、ご存知でなくて当たり前です。
特殊清掃とは、人が亡くなられた時に伴う汚れを除去するための特別な清掃のことを言います。
今回は特殊清掃についてもう少し詳しく解説してきます。
◆特殊清掃って?
誰もが知っている事実ですが、人はいろいろな状況で死を迎えます。
老衰で天命を全うする人、事故や病気などが一般的な旅立ちかと思います。
しかし残念なことに、病気や事故、自殺などで人知れずお亡くなりになる方も後を絶ちません。
独り身の方が自宅で亡くなったとすると発見されるのはいつになるでしょうか。
恐らく、発見されるタイミングが遅れるということもあるでしょう。
その場合、気付いた時にはご遺体の腐乱が進み、異臭が漂い害虫が発生している場合もあり、体液、血液などが壁や床などに染み込んで、通常の清掃では対処できない状況になっている場合がほとんどです。
そのような際に清掃や不用品の処分、害虫駆除、供養、消臭、除菌などを行い、部屋を現状回復させるための第一歩となるのが「特殊清掃」です。
◆実例は?
特殊清掃の具体例をご紹介します。
・寝室で亡くなっている
亡くなっている場所がベッドや布団、床、畳などで発見までに時間がかかってしまっている場合、血液や体液が溶け出し、布団や床、畳などに染み込んでいることが多いです。
そういった場合でももちろん完全に除去しなければなりません。
ベッドの場合マットレスで汚れが止まっていることもありますが、ほとんどの場合床まで染み込んでいるため、そこまで剥がして突き止める必要があるのです。
・トイレ
トイレは寝室と同じくらい亡くなることが多い場所です。
トイレの床はビニール製のクッションフロアといわれるものが使われていることが多く、床を剥がすとクッション性であるために想像以上に体液などが広がっていることが多いです。
床を剥いで原因汚染を除去しない限り、臭いは無くなりません。
ひどい場合だと、便器の取り外しなども必要となる場合があります。
・キッチン
キッチンは一般的に、狭くいろいろなものが置いてあるので、除去するのに時間がかかることが多いです。
また、キッチン本体の下まで汚れが染み込んでいると本体の交換が必要になる場合があるので、そうなるとキッチン代や水道、電気、ガスの工事も必要になり、費用がかかってしまします。
◆まとめ
特殊清掃についてご理解いただけたでしょうか。
特殊清掃はこのような特殊な作業をを行っています。
お亡くなりになる環境が全て異なるため、豊富な知識が必要となります。
誤解されがちなのですが、基本的には「表面の清掃」だけで原状回復できるケースは少ないと言えます。
よって、専門業者を呼んだからと言って、専用の消臭剤で簡単に臭いが取れるという事もあまりありません。
「表面部分の清掃をして完了」と言う、素人のような業者もたくさん存在するようですが、本当の特殊清掃の難しさは表面に見えない所にあります。
その見えない部分にまで広がった汚染を完璧に除去することが最も必要な事であり、原状回復に向けてとても重要な部分です。
近年では高齢者の方が増えるのにしたがって、依頼件数も増えています。
決して喜ばしいことではありませんが、身の回りの方にもし万が一のことがあれば参考にしてください。
きちんと作業ができる業者を選ばないと、後々トラブルが大きくなる事も珍しくありません。