特殊清掃は何度も経験することではありませんので、疑問に感じる点も多く出てくるのではないかと思います。
そのうちの一つが、「どのように臭いを除去するのか?」ということではないでしょうか。
◎特殊清掃における臭いの除去方法
特殊清掃における臭いの除去に関しては以下のようなことを行います。
●部屋の消毒
まず行う必要があるのは部屋の消毒です。抑制されるもののない菌は、遺体の栄養を分解しながら増殖し続けていますので、最初にこれの活動を止める必要があります。
業務用に作られたより細かな噴霧機などを使いながら菌の増殖を抑制します。
●遺品の整理
あまり関係のないもののように感じられるかもしれませんが、遺品を部屋に残したままにすると臭いがさらに付着することになり、ますます取れにくくなってしまいます。
早い段階で遺品を整理してしまうことで臭いが移るのを防ぐことにつながります。
また遺品を整理することで部屋を片付け、後の作業を行いやすくする効果もあります。
逆に言えば、臭いが染み込んだ家財や遺品をそのままにしていると、消臭の効果が激減してしまいます。
●害虫の駆除
状況によっては害虫が発生していることもあります。
害虫は早い種でしたら孵化してから数日で成虫にまで成長するものもありますので、放置しておくとどんどん増えてしまいます。
害虫が遺体に群がることもそうですが、腐敗液を付着させた状態で部屋のあちこちを飛び回ることによって、様々な場所に腐敗液が蔓延することになります。
害虫の駆除によって臭いの元となる物質の媒介を遮ることにつながります。
●消臭
業者によっても方法は違いますが、弊社におきましては専門的な消臭の薬品を用いて行っております。
またオゾン脱臭機も使いながら作業を進めていきます。
オゾンの性質を利用し、臭いの元となる物質と科学反応させることで臭いを消すという方法です。
●リフォーム
発見されるまでが遅かったといった理由でどうしても臭いが除去できないこともあります。
その時には、家の所有者との相談にもなるのですが、壁や床材を取り換えることで染みついてしまった臭いの元を除去することになります。
◎最後に
今回は、特殊清掃における臭いの除去方法についてご説明させていただきました。
弊社におきましても特殊清掃を行わせていただいておりますが、稀に「業者に頼んだのに臭いが消えない」と家主さんから依頼が入ります。
現場を見てみると、「あぁ・・・これでは臭いは消えないな」と思われる処理の仕方。
聞いた業者名を調べてみると、さも熟練の業者であるようなホームページです。
確かに表面的には綺麗になっているのですが、特殊清掃の目的はそこではありません。「原状回復」。すなわち、一番問題となる「臭い」も含め、元の状態に戻す事が着地点になります。
特殊清掃業者が必要となる時は、ある日突然やって来ます。
そして自分自身が当事者になるなど思いもしなかった為、動揺を隠せません。
深い悲しみや罪悪感、残念な気持ちで苦しい上に、近隣からの苦情や貸主からのプレッシャー。
そのような精神状態の中で優良な業者を見極めるのは、とても困難な事でしょう。
そんな時は一度、プロアシストまでご相談ください。