「終活」と聞くと、もしかしたら「それはまだ早い」と思うかもしれませんね。
しかし、30代はキャリアや家庭が安定し始める大切な時期。
このタイミングで終活を考えることは、実はとても合理的な選択なのです。
では、なぜ30代で終活を考えるべきなのか、その理由と具体的な準備方法について掘り下げてみましょう。
記事監修者プロフィール
遺品整理士歴10年、これまでに5,000件以上の遺品整理や特殊清掃に携わる。手がけた遺品整理で発見された貴重品のうち、お返ししたタンス預金の合計だけでも3億3千万円にも上り、貴金属などの有価物を含むと5億円近くの金品を依頼者の手元に返して来た。
遺品を無駄にしないリユースにも特化。東南アジアへの貿易を自社にて行なっており、それに共感を覚える遺族も非常に多い。また不動産の処分も一括で請け負い、いわるゆ「負動産」を甦らせる取り組みにも尽力して来た。
一般社団法人ALL JAPANTRADING 理事
一般社団法人家財整理相談窓口会員
一般社団法人除染作業管理協会理事
宅地建物取引士(日本都市住宅販売株式会社代表取締役)
株式会社RISE プロアシスト東日本
代表 仲井
終活とは?
遺言の作成、葬儀の計画、デジタルアセットの管理など、さまざまな活動を含みます。
終活を行う大きな目的の一つは、家族に負担をかけないことです。
そのためには、資産の清算や文書の準備だけでなく、家族とのコミュニケーションも重要です。
家族に自分の終活計画を共有し、可能な限り家族の意見を聞きながら計画を進めることが望ましいです。
家族が終活に参加することで、互いの意向を理解し、将来的なトラブルを防ぐことができます。
これらはすべて、個人の望みや価値観に基づいて計画されるべきもので、30代からこれらの準備を始めることは非常に有意義です。
終活を30代で始めるメリット
30代はキャリアもプライベートも安定してくる時期。だからこそ、未来に備えて終活を考えるのに最適な時です。
終活を早めに始めるメリットは、心の準備ができることに加えて、経済的な計画も立てやすくなることです。
例えば、生命保険の見直しや遺言書の作成など、時間をかけてじっくりと考えることができます。
さらに、早期に終活を始めることで、もしもの時に家族に迷惑をかけることが少なくなります。
先見の明を持つことで心の準備ができる
30代で終活を始めることの最大の利点は、余裕を持って準備できることです。
予期せぬ事態が起こった際にも、事前の準備があれば心理的な安定感を保つことが可能になります。
財務計画の見直し
若いうちから資産計画や遺産分割について考えることで、将来的な家族の負担を軽減できます。
また、ライフプランに合わせた保険の見直しも大切です。30代でそこまで考えるのは、ちょっと早い?と思うかもしれませんが、実はこれ、将来の安定と自信を築く絶好のチャンスなんです。
この時期になると、キャリアもだんだん安定してきて、家庭を持つ人も増えますよね。
そう、ちょうど生活に大きな変化が訪れる時。それだけに、財政的な責任もぐっと重くなります。
ここで「終活」と聞くと、ちょっと重たい感じがするかもしれませんが、実はこれが未来への大きな一歩。
終活を通じて、自分の財務計画をしっかり見直すことで、これからの人生に堅実な経済基盤を築くことができるんです。
自分だけでなく、大切な家族の未来にも、より良い影響を与えられるはず。
家族とのコミュニケーション
終活を通じて、家族と死生観や遺産について話し合う機会を持つことができます。これにより、家族間の理解が深まり、将来的なトラブルを防ぐことができます。
このように、30代で終活を開始することは、未来に対する不確かさを減らし、精神的な安心感を提供します。
早期に計画を立てることで、自分自身の願いが適切に反映される機会が増え、家族への負担も軽減されます。
さらに、健康なうちに終活を行うことで、より冷静で綿密な計画が可能となります。
30代終活のやり方
終活は年齢を問わず始めることができますが、特に30代の方には、以下の項目で準備を始めることをおすすめします。
まずは、遺言書の作成を検討し、その後エンディングノートを用意すること。
エンディングノートには、葬儀の希望、残したい言葉、大事な人々へのメッセージ、自身のデジタルアカウントの情報などを含めます。さらに、生命保険や健康保険の見直しも大切です。
これらのステップを踏むことで、万が一の時にも自分の意志がしっかりと伝えられ、家族に対する負担を軽減することができます。
遺言書の作成
終活で最も基本的な手続きの一つが、遺言書の作成です。
遺言書には、財産の分配だけでなく、個人の意向を明確に示すことが可能です。
また、エンディングノートを用意することもおすすめします。
エンディングノートには、葬儀の希望や、大切な人へのメッセージ、パスワードリストなど、遺しておきたい情報を詳細に記載できます。
これらの文書を準備することで、自分の意志がしっかりと伝わり、遺族間のトラブルを防ぐことができます。
エンディングノートの準備
個人の希望を詳細に記録するエンディングノートを準備しましょう。
こエンディングノートは、自分の死後に家族が直面するであろう決断や手続きをサポートするための重要なツールです。
このノートには、個人の願い、財産の詳細、葬儀の希望、さらにはパスワードやアカウント情報など、様々な情報が含まれます。
エンディングノートに含めるべき主な内容は以下の通り。
個人情報 | 完全な名前、連絡先、重要な日付(例:結婚記念日)、家族構成など。 |
遺言に関する情報 | 既に遺言がある場合はその存在と保管場所。 |
葬儀の希望 | 葬儀の形式、埋葬または火葬の希望、式場の選択など、具体的な詳細 |
財産と金融情報 | 銀行口座、不動産、価値ある個人資産のリストと所在。 |
デジタル遺産 | ソーシャルメディアアカウント、オンラインサービスのログイン情報。 |
医療情報 | 現在の健康状態、継続的な治療、緊急時の連絡先。 |
重要な文書の所在 | 法的文書の保管場所。 |
個人的なメッセージ | 家族や友人への手紙やメッセージ。 |
遺産分割
資産の整理と遺産分割も必要となります。まずは、現在持っている資産を把握することから始めましょう。
不動産、預金、株式、その他の貴重品など、すべての資産リストを作成します。
次に、これらの資産をどのように分割するかを計画することが大切です。
遺言書には、具体的な分割方法を記載し、可能な限り明確にします。これにより、遺族間での意見の不一致やトラブルを防ぎます。
デジタル資産の管理
現代では、デジタル資産の管理も非常に重要です。SNSアカウントやオンラインバンキング、デジタル写真やビデオなど、デジタル形式での財産も考慮に入れる必要があります。
これらのアカウントのアクセス情報を安全に管理し、エンディングノートに記載しておくことをお勧めします。
また、これらのデジタル資産をどのように扱うか、遺言書に具体的な指示をすることも考えましょう。
まとめ
30代で終活を始めることは、未来への不安を減らし、今をより豊かに生きるためのステップです。
早めの準備が、将来自分自身と家族に安心をもたらします。この記事が、終活の取り組みに対する新たな視点を提供したことを願っています。