孤独死が起きた室内では多くの害虫が湧きますが、その中でも特に害があるのがハエやウジ虫です。
ハエやウジ虫はご遺体の体液を付着させたまま棚の隙間や壁の隙間に入り込み、部屋をどんどん汚損させていきます。
さらに、成長速度が早いうえに1回の産卵数が多く、部屋の中がハエやウジ虫で埋め尽くされてしまうことも少なくありません。
この段階になると、自力での清掃は難しいでしょう。
そのため、ハエやウジ虫が湧いていたら、早急に特殊清掃業者へ依頼をすることが大切です。
本記事では、依頼を受けた特殊清掃業者がどのようにハエやウジ虫を駆除するのか、また、ハエやウジ虫はなぜ発生するのかについて解説していきます。
記事監修者プロフィール
遺品整理士歴10年、これまでに5,000件以上の遺品整理や特殊清掃に携わる。手がけた遺品整理で発見された貴重品のうち、お返ししたタンス預金の合計だけでも3億3千万円にも上り、貴金属などの有価物を含むと5億円近くの金品を依頼者の手元に返して来た。
遺品を無駄にしないリユースにも特化。東南アジアへの貿易を自社にて行なっており、それに共感を覚える遺族も非常に多い。また不動産の処分も一括で請け負い、いわるゆ「負動産」を甦らせる取り組みにも尽力して来た。
一般社団法人ALL JAPANTRADING 理事
一般社団法人家財整理相談窓口会員
一般社団法人除染作業管理協会理事
宅地建物取引士(日本都市住宅販売株式会社代表取締役)
株式会社RISE プロアシスト東日本
代表 仲井
ウジ虫やハエの発生箇所
まずは、孤独死の現場でウジ虫やハエが発生する箇所について解説します。ウジ虫やハエが発生する個所は、次の2つです。
- 孤独死したご遺体
- 家庭ごみ
なぜこの2つの箇所でウジ虫やハエが発生するのか、その原因について詳しく解説していきます。
孤独死の場合はご遺体から発生する
ウジ虫やハエは、ハエがご遺体へ卵を産み付けることで発生します。
ハエはご遺体が腐敗した臭いを嗅ぎつけて室内へ侵入し、ご遺体へ卵を産み付けます。卵は早ければ1日で孵化し、ウジ虫が発生してしまうのです。
さらに、孵化したウジ虫は約2週間で成虫になるうえ、種類によりますが1回の産卵で100個前後の卵を産みます。
このような早い成長速度や大量の産卵数によってどんどん数を増やし、部屋がウジ虫やハエだらけになってしまうのです。
この頃には、腐敗が進み部屋の中には強烈な腐敗臭が立ち込めています。
この臭いが外へ漏れ出すことで外部が異変を察知し、孤独死の発見へつながることも少なくありません。
家庭ゴミから発生することもある
ウジ虫やハエは、放置された家庭ゴミから発生する場合があります。
孤独死は発見までに時間がかかることがあり、その間に家庭ゴミの腐敗が進んでしまいます。腐敗が進むとハエが臭いにつられて侵入し、そこに卵を産み付けてウジ虫が孵化してしまうのです。
また、ほかにも孤独死が起きる前から家がゴミ屋敷になり、ハエやウジ虫が発生している場合があります。この場合は家中にハエやウジ虫が発生していることが多く、特殊清掃の費用が高額になってしまうでしょう。
ご遺体にウジ虫が発生する理由
ご遺体にウジ虫が発生する理由は、ご遺体へ産み付けられたハエの卵が孵化してしまうためです。
先述した通り、ハエは腐敗臭を嗅ぎつけて室内へ侵入し、ご遺体へ卵を産み付けます。
卵が孵化するとウジ虫が発生し、2週間ほどで成虫になった個体が再びご遺体へ産卵して数を増やしてしまうのです。
また、ハエがご遺体へ産卵する理由は、ウジ虫がご遺体を食べることが挙げられます。
孵化したウジ虫は消化酵素を分泌し、ご遺体を分解しながら食べていきます。そして、やがて食べ尽くされて骨だけになってしまうのです。
孤独死が発見されるまでの日数は、2022年に日本少額短期保険協会が調査した内容によると、平均18日と言われています。18日もあればウジ虫は孵化して成虫になるので、発生を防ぐことは難しいでしょう。
ウジ虫やハエの駆除方法
先述した通り、ウジ虫やハエは成長速度や産卵数が多く、ほとんどの孤独死の現場で発生しています。特殊清掃の現場では、どのようにウジ虫やハエを駆除しているのでしょうか。
特殊清掃におけるウジ虫やハエの駆除方法のポイントは、下記の3つです。
- 特殊清掃における駆除の基本
- 物理的及び化学的駆除法
- 徹底的な清掃
それぞれの詳しい内容を見ていきましょう
特殊清掃における駆除の基本
ウジ虫やハエを駆除するには、窓や換気扇などを閉めて外部から侵入させないことが基本です。
ハエは遺体が腐敗する臭いを嗅ぎつけて、窓や換気扇の隙間から室内へ侵入します。まずはこのハエの侵入を防ぐためにも、室内と外部を遮断することが大切です。
具体的には、窓を閉める、換気扇を止めるなどをして室内と外部を遮断し、ハエが外部から侵入するのを防ぎます。
また、室内と外部を遮断することでハエの侵入を防ぐだけでなく、腐敗臭が外部へ漏れ出すのも阻止します。
もし、特殊清掃業者が来るまでに時間がかかるようなら、ハエの侵入や腐敗臭が漏れ出すのを防ぐためにも、窓を閉めて換気扇を止めるようにしましょう。
物理的及び化学的駆除法
窓を閉めたり換気扇を止めたりして駆除の準備を終えたら、ハエやウジ虫を物理的及び化学的に駆除します。
駆除の方法は、まずピレスロイド系の薬剤でハエやウジ虫を殺虫します。
このピレスロイド系の薬剤は速効性がありすぐにハエを殺虫できる一方、空気に触れるとすぐに分解されるため人体への害はありません。
ピレスロイド系の薬剤を撒いた後は、掃除機でハエやウジ虫の死骸を処理します。
この際、死骸が室内に残らないよう、棚の裏側や壁の隙間などの見えないところまで掃除機をかけることが重要です。
徹底的な清掃
ウジ虫やハエは再発生させないためにも、徹底的に清掃を行うことが大切です。
ウジ虫は体長が小さいことや暗い場所を好むことから、棚の裏側や壁の隙間に入り込みます。
ウジ虫がこれらの場所に潜んでいることに気づかず清掃を終えてしまうと、ウジ虫が成虫になって部屋の中で産卵し、再び部屋がハエやウジ虫だらけになってしまうのです。
ウジ虫やハエを再び発生させないためにも、見える場所だけでなく棚の裏側や壁の隙間まで徹底的に清掃を行わなければなりません。
ウジ虫が発生したら特殊清掃業者に依頼
ハエやウジ虫が発生してしまった場合、自力で清掃せずに特殊清掃業者へ依頼することが大切です。
ハエやウジ虫はご遺体へ接触することから、危険な病原菌やウイルスを保有している可能性があります。ハエやウジ虫の駆除では、これらの菌やウイルスに感染しないようにすることが大切です。
具体的には、駆除する前に除菌・殺菌を徹底的に行い、防護服や防毒マスク、安全保護ゴーグルなどを身につけます。
自力の清掃でこれらの準備をすることは大変なので、特殊清掃業者へ依頼するようにしましょう。
まとめ
孤独死が起きた現場でハエやウジ虫が発生する理由は、腐敗臭を嗅ぎつけたハエがご遺体や家庭ゴミへ卵を産みつけてしまうためです。
ハエやウジ虫の発生を防ぐにはいち早く孤独死を発見することが大切ですが、身寄りがいない方だと早期発見は難しいでしょう。
もし、孤独死によりハエやウジ虫が発生してしまったら、すぐに特殊清掃業者へ依頼することが大切です。時間が経つほど害虫による汚損は進み、特殊清掃にかかる時間や費用がかさんでいきます。
余計なコストをかけないためにも、早急に特殊清掃業者へ依頼しましょう。
孤独死によるウジ虫駆除はプロアシストへ
孤独死によってハエやウジ虫が発生した場合、危険な病原菌やウイルスを保有している可能性があるため、自力での駆除は非常に危険です。
それに、何より大切な方を亡くされてつらいなか、害虫を駆除するのは心に強いストレスがかかってしまうでしょう。
プロアシストならご依頼主様へ負担をかけずに、孤独死によって発生したハエやウジ虫を駆除します。また、実績に基づいたスキルで害虫を徹底的に駆除し、二度と発生させません。
孤独死によって発生したハエやウジ虫などの害虫駆除は、確かな技術を持つプロアシストへお任せください。