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実家の片づけは娘が行うべき?片付けの手順や業者の選び方を紹介

実家の片付けをする娘

女性の社会進出が増えたとはいえ、50〜60代となると娘が親の面倒を見て、息子は働きに出ていることが多いでしょう。そのような状況だと、親が亡くなった後の実家の片付けも娘に押し付けていることがあります。

 

しかし、実家の片づけは到底一人で終えられるような作業ではありません。娘だけに押し付けていると片付けが終わらず、相続や税金の手続きに間に合わなくなることも考えられるでしょう。

 

本記事では、実家の片付けは娘が行うべきなのか解説したうえで、片付けの進め方や遺品整理業者の選び方を解説していきます。

記事監修者プロフィール

遺品整理士歴10年、これまでに5,000件以上の遺品整理や特殊清掃に携わる。手がけた遺品整理で発見された貴重品のうち、お返ししたタンス預金の合計だけでも3億3千万円にも上り、貴金属などの有価物を含むと5億円近くの金品を依頼者の手元に返して来た。

遺品を無駄にしないリユースにも特化。東南アジアへの貿易を自社にて行なっており、それに共感を覚える遺族も非常に多い。また不動産の処分も一括で請け負い、いわるゆ「負動産」を甦らせる取り組みにも尽力して来た。
一般社団法人ALL JAPANTRADING 理事
一般社団法人家財整理相談窓口会員
一般社団法人除染作業管理協会理事
宅地建物取引士(日本都市住宅販売株式会社代表取締役)


株式会社RISE プロアシスト東日本
代表 仲井

目次

実家の片付けは娘が行うべき?

親が亡くなった後の実家の片付けは、娘だけに任せるのではなく、子ども全員で分担して行いましょう。

 

実家は親や子が何十年も暮らしてきたことから、多くの遺品が残されています。

娘だけで何十年も積み重なってきたものを片付けるのは、容易ではありません。最悪の場合、相続や税金の手続きに間に合わなくなり、延滞税や加算税が科せられることもあります。

 

そのような事態を避けるためにも、親が亡くなった後の実家の片付けは子ども全員で分担して行うべきです。早いうちから日程調整をして、一気に作業を進めましょう。

関連記事:実家の片付けは一人っ子でも大丈夫?タイミングとポイントについて解説

女性だけだと苦労する場面も多い

実家の片付けは女性だけだと苦労する場面が多く、作業が難航してしまうでしょう。

 

実家はかつて親だけでなく子どもも暮らしていたため、当時の大型家電や大型家具を使用しているケースも多いです。

女性だけだと大型家電や大型家具の搬出ができず、実家の片付けが進まないことがあります。

 

また、搬出以外にも高い場所のものを下ろしたり、固いものを開けたりなど、なにかと男手が必要です。

仕事や生活で忙しいかもしれませんが、実家の片付けは兄弟や親族で分担して進めるようにしましょう。

関連記事:実家の片付けにうんざりしたらどうすればいい?やる気を維持するコツや対処法を紹介

娘が実家を片付けるときの手順

親が亡くなった後に実家を片付けるときは、次の手順で進めていくのがおすすめです。

 

  1. 遺言書やエンディングノートを確認する
  2. 遺品の選別をする
  3. リサイクルに出す品を選別する
  4. ゴミの分別をする
  5. 処分と清掃をする

 

どのようなことをすればいいのか、詳しい内容を解説していきます。

 

遺言書やエンディングノートを確認する

実家の片づけを始める前に、まずは遺言書やエンディングノートを確認してください。

 

遺言書やエンディングノートは故人が生前のうちに自分の意向を記したものです。

相続に関連することや葬儀の希望などが記載されています。なかには、遺品の処分方法や譲渡先が残されていることもあるので、必ず片づけを始める前に確認するようにしましょう。

 

遺品の選別をする

次に、遺品を残しておくものと処分するものに選別します。

 

このときに一番重要なのが、独断で行わないことです。

独断で行うと遺品への思い入れの違いから、遺品の処分を巡って家族や親族とトラブルになることがあります。

余計なトラブルを避けるためにも、遺品の選別を終えたら、家族や親族に確認してもらうようにしましょう。

 

また、どのような遺品を残しておくのか明確な基準を話し合っておけば、遺品の選別はスムーズに進みます。

 

リサイクルに出す品を選別する

遺品の選別を追えたら、処分するもののなかから、リサイクルに出す品を選別していきましょう。

 

遺品のなかには家電や大型家具など、処分に費用がかかるものがあります。処分に費用がかかる遺品は、リサイクルに出すと費用をかけずに処分できるでしょう。

 

また、故人にとっても愛用していた品なので、処分するより次の誰かの手に渡るほうが嬉しいはずです。処分するもののなかでも、新しい品やきれいな品は積極的にリサイクルへ出しましょう。

関連記事:実家の片付けで売れるもの7選|高く売る方法を解説

ゴミの分別をする

リサイクルに出す品の選定が終わったら、普段と同様にゴミの分別を行います。

 

ゴミの分別は間違えると回収してもらえないため、事前に地域に沿ったゴミの分別方法を確認しておきましょう。

分からないことがあれば、ちゃんと市のホームページや電話で質問してください。

 

処分と清掃をする

ゴミの分別を終えたら、ゴミ出しをして清掃をするだけです。

ゴミ出しについても地域によって違いがあるため、事前に確認しておいてください。

 

また、実家の清掃は範囲が広く、おそらく一日では終わらないでしょう。

しかし、ここまで片づけを終えていれば、相続や税金に関係する品は実家に残されていないはずです。

期限に追われることもないので、ゆっくり進めていきましょう。

娘が実家の片付けをする際の注意点

  • 感情的になりがち
  • 整理が進まない
  • 必要だったものを処分してしまう

実家の片付けは、家族の思い出が詰まった品々に触れる機会でもあり、感情的になりがちです。

特に娘の立場から見ると、幼少期の作品や写真、両親が大切にしていた調度品など、どれも捨てがたいものに感じられるでしょう。

しかし、不要なものまで保存してしまうと、限られたスペースを圧迫し、部屋の整理が進みにくくなります。

まずは古い衣類や壊れた道具など明らかに使わないものから仕分けを始め、残す・譲る・処分するの三つを基準に考えましょう。

また、両親がまだ元気であれば、彼らの意見を尊重して一緒に選別することが大切です。

先走って捨ててしまうと、後々「どうしても必要だった」と思われる品を処分してしまう可能性もあります。

貴重品や大切な書類は専用のファイルなどにまとめ、必要な時にすぐ取り出せる状態を整えておきましょう。

最後に、片付けの過程で見つかった想い出の品は、写真に収めたりSNSで共有したりといった形で新たに残しておくと、家族のコミュニケーションにもつながります。

感情と実用のバランスを考えながら、無理のないペースで少しずつ進めていくことが成功の鍵です。

 

状況によっては遺品整理業者を利用する

実家がゴミ屋敷化している場合や片付けの終わりが見えない場合は、遺品整理業者の利用を検討しましょう。

遺品のなかには、相続や税金に関連する品や書類が残されていることがあります。

相続や税金には期限が定められているため、間に合うように実家を片付けて必要なものを見つけ出さなければなりません。

しかし、実家がゴミであふれかえっていたり、兄弟や親族と作業を分担できなかったりすると、期限までに片づけを終えられないでしょう。

そのようなときは無理をせず、遺品整理業者に依頼するのがおすすめです。

参考記事:遺品整理は見積もりが重要!見積もりの取り方と費用を抑えるコツを紹介!

まとめ

親が亡くなった後の実家の片付けは、娘だけで行うと作業量の多さから、相続や税金の手続きに間に合わなくなる可能性があります。

期限に間に合わせるためにも、子どもたち全員で分担して作業を行いましょう。

 

しかし、実家の状況によっては遺品整理業者へ依頼したほうが良いこともあります。

期限までの日数や遺品の量を考えて、必要であれば遺品整理業者へ依頼しましょう。