近年、20代で終活に取り組む若者が増えています。
終活は将来の備えだけでなく、自分の人生や価値観を見直し、残される家族への配慮や安心感を得る機会にもなります。
さらに、自分の両親の終活について考えるきっかけにもなるでしょう。
この記事では20代で終活を始めるメリットや具体的な方法や注意点について、すぐに実践できるポイントとともにわかりやすく解説します。
記事監修者プロフィール
遺品整理士歴10年、これまでに5,000件以上の遺品整理や特殊清掃に携わる。手がけた遺品整理で発見された貴重品のうち、お返ししたタンス預金の合計だけでも3億3千万円にも上り、貴金属などの有価物を含むと5億円近くの金品を依頼者の手元に返して来た。
遺品を無駄にしないリユースにも特化。東南アジアへの貿易を自社にて行なっており、それに共感を覚える遺族も非常に多い。また不動産の処分も一括で請け負い、いわるゆ「負動産」を甦らせる取り組みにも尽力して来た。
一般社団法人ALL JAPANTRADING 理事
一般社団法人家財整理相談窓口会員
一般社団法人除染作業管理協会理事
宅地建物取引士(日本都市住宅販売株式会社代表取締役)
株式会社RISE プロアシスト東日本
代表 仲井
20代で終活する人が増えている理由
近年、20代で終活に取り組む若者が増えています。
早い段階から人生の整理や未来の準備を始める理由はさまざまです。
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将来設計のきっかけになる
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万が一に備えられる
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家族への負担を減らせる
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人生を見つめ直すきっかけになる
ここでは、20代で終活をすることの4つの理由を解説します。
将来設計のきっかけになる
20代で終活を始めると、自分の将来について考えるきっかけになります。
就職や結婚などの節目を迎える20代は、人生の方向性や価値観を見つめ直す良いタイミングです。
終活を通じて「自分はどんな人生を送りたいのか」について深く考えることで、これからの行動や選択にも自信が持てるようになります。
例えば、エンディングノートに将来の希望や自分の思いを記すことで、今後の人生設計がより明確になるでしょう。
万が一に備えられる
事故や病気は誰にでも起こり得るものです。
20代であっても、万が一に備えることは大切です。
終活を通じて、予期せぬ出来事にも落ち着いて対処できる準備を整えておけば、自分も残された家族も安心して過ごせるでしょう。
特に最期をどのように迎えたいか、どのような対応を希望するかをエンディングノートにまとめておくことは大切です。
そうすることで、いざというときに自分の意志が尊重され、人生の締めくくりに対する不安も軽減できます。
家族への負担を減らせる
終活は、自分だけでなく家族への配慮でもあります。
もし自分に何かあった場合、家族が手続きを進めたり片付けをしたりするのは大変な労力がかかります。
終活を通じて、自分の持ち物やデジタルデータなどを整理しておくことで、家族の負担を大幅に減らすことが可能です。
特にエンディングノートを使って希望を明確にしておくと、家族も安心して生活を送れます。
人生を見つめ直すきっかけになる
20代で終活に取り組むことは、人生を見つめ直す貴重な機会となります。
「自分は何を大切にして生きたいのか」「どのような人生を送りたいのか」といった、今まで気づかなかった価値観が見えてくるでしょう。
これにより日々の生活にも充実感が生まれ、後悔の少ない人生への道筋が見えてきます。
終活は単に「終わりの準備」ではなく、これからの生き方を前向きに見つめ、充実した将来を築くための大切なプロセスです。
20代で終活を始めることは将来への安心とともに、豊かな人生を歩むための第一歩と言えるでしょう。
20代で終活の内容
20代で終活に取り組む際にはシンプルな内容から始めると無理なく進められます。
- 断捨離
- デジタルデータの整理
- エンディングノート作成
ここでは終活の基本的な3つの内容について解説します。
断捨離する
断捨離は終活の基本であり、まず身の回りの整理から始めることができます。
20代で断捨離に取り組むと、自分にとって本当に必要なものや大切にしたいものが明確になります。
特に物が多くてストレスを感じている場合、断捨離は心の整理にも効果的です。
ただし、思い出の品は無理に捨てる必要はありません。
気軽に手放せるものだけでも整理すれば、すっきりした気分が得られるでしょう。
身軽になることで生活の質が向上し、終活に対する意識も自然と高まります。
デジタルデータを整理する
スマートフォンやパソコンに保存されたデジタルデータも、終活で整理しておきたい重要な要素です。
SNSのアカウントや写真、クラウド上のデータなどは、万が一の際に家族が対応しやすいよう、整理しておくと安心です。
20代のうちから、不要なデータは定期的に削除し、必要なデータはバックアップを取る習慣をつけておきましょう。
亡くなった人のアカウントが乗っ取られて悪用されるケースもあるため、パスワード管理も忘れずに行うことが大切です。
必要に応じて信頼できる人にパスワードの記録を託しておけば、家族が困ることも避けられるでしょう。
関連記事:デジタル遺品とは?トラブル事例や整理方法について解説
エンディングノートを書く
エンディングノートは、もしもの時に自分の意思を家族に伝えるための大切なツールです。
20代でエンディングノートを書いておくことは、将来への心の整理や人生設計の見直しにつながります。
特に自分が大切にしている思いや希望する医療や介護の内容、終末期の希望を記すことで気持ちが明確になり、安心感も得られるでしょう。
さらに定期的に内容を見直すことで自分の考えや価値観を整理し、今後の生き方にも良い影響を与えることができます。
20代で終活に取り組むことは心に余裕を持ち、将来への備えを整えることにも役立ちます。
20代でエンディングノートに書き残しておきたい4つの内容
- 基本情報:氏名、住所、生年月日、血液型、本籍など、基本的なプロフィール
- 契約関係:携帯電話やインターネットの契約情報、運転免許証の有無など、日常的な契約内容
- 医療・介護に関する希望:延命治療の意思、臓器提供の希望、持病やアレルギーの有無など、医療や介護面での希望
- 葬儀や訃報の連絡先:葬儀に呼びたい人、訃報を知らせてほしい人の名前や連絡先
これらの項目をエンディングノートにまとめておくことで、家族が安心して対応できるようになるだけでなく、日々の生活を前向きに過ごす助けにもなります。
20代で終活を始める際の注意点
20代で終活を始める際には、いくつかの注意点があります。若い世代ならではの視点を持って、慎重に取り組むことが大切です。
- 断捨離は慎重に進める
- 保険契約に注意
- 時間をかけてゆっくり進める
ここでは就活を始める際の注意点を3つ説明します。
断捨離は慎重に進める
終活の一環として、持ち物を減らす「断捨離」は大切ですが、勢いに任せて進めると後悔することもあります。
20代での断捨離は、思い出の品や今後使うかもしれないものを手放してしまうリスクがあるため、慎重に判断することが大切です。
断捨離は「必要なもの」「今後も使うもの」を確認しながら、少しずつ段階的に進めると安心です。
大切なものまで処分してしまわないよう、自分にとって価値のあるものを見極める目が重要です。
保険契約に注意
若いうちから保険に加入することで、万が一の際に備えられますが、契約内容には注意が必要です。
終活の一環として保険を見直す際には、自分に本当に必要な保障内容を確認し、家族が困らないように準備を整えましょう。
特に生命保険や医療保険は長期契約となるため、将来のライフスタイルや家族の状況も考慮して慎重に選ぶことが大切です。
必要以上に高額な保険や、自分の生活に合わない保障内容には加入しないよう気を付けましょう。
時間をかけてゆっくり進める
終活は急いで行うものではなく、ライフステージの変化に合わせて進めることが望ましいです。
20代であれば就職や結婚など生活が大きく変わる可能性があり、その都度終活の内容も見直すことが必要です。
焦らず自分のペースで少しずつ進めていくことで、無理なく長く続けられます。
時間をかけてじっくりと取り組むことで、終活が今後の生活を豊かにする機会にもなります。
関連記事:終活で断捨離する必要性とメリットや流れとポイントを解説
まとめ
20代から終活に取り組むことで、将来への備えや家族への配慮ができるだけでなく、自分自身の価値観や生き方を見直すきっかけになります。
終活は断捨離やデジタルデータの整理、エンディングノートの作成など日常生活にも役立つ取り組みから始めると無理なく続けやすいです。
また若いうちから準備をしておくことで、心の余裕が生まれ人生を前向きに歩むための支えとなります。
ゆっくりと、自分のペースで終活を進めてみてください。