遺品整理

故人の遺品を捨てられない理由と捨てる方法|断捨離のコツと手順も解説

遺品整理で物が捨てられない

遺品整理を行うかたのなかにはさまざまな理由から遺品を捨てられず、作業が進まずに悩んでいるかたがいるでしょう。

そこでおすすめなのが、プロである業者に任せること。

日頃から遺品整理を行っている業者に任せることでスムーズに作業が進み、自身で遺品整理を行うより早く終わらせられるのです。

本記事では、遺品を捨てられない原因や遺品整理を早く行ったほうがいい理由、業者を進める理由について、具体的に解説していきます。

記事監修者プロフィール

遺品整理士歴10年、これまでに5,000件以上の遺品整理や特殊清掃に携わる。手がけた遺品整理で発見された貴重品のうち、お返ししたタンス預金の合計だけでも3億3千万円にも上り、貴金属などの有価物を含むと5億円近くの金品を依頼者の手元に返して来た。

遺品を無駄にしないリユースにも特化。東南アジアへの貿易を自社にて行なっており、それに共感を覚える遺族も非常に多い。また不動産の処分も一括で請け負い、いわるゆ「負動産」を甦らせる取り組みにも尽力して来た。
一般社団法人ALL JAPANTRADING 理事
一般社団法人家財整理相談窓口会員
一般社団法人除染作業管理協会理事
宅地建物取引士(日本都市住宅販売株式会社代表取締役)


株式会社RISE プロアシスト東日本
代表 仲井

目次

故人の遺品を捨てられない主な理由

遺品整理と段ボール

遺品整理を行ううえで遺品を捨てられない主な原因は、次の5つがあげられます。

  1. 物が多すぎる
  2. 処分方法がわからない
  3. 気持ちの整理がついていない
  4. 時間がない
  5. 遠方に住んでる

それぞれがどのような状態なのか、具体的に解説していきましょう。

遺品が多すぎる

物が多すぎると、どこから手を付けたらいいのか分からず、思うように遺品整理が進みません。

また、同居していたならともかく、自分の家ではなく故人の家での遺品整理だと、余計に何がどこにあるのか分からず、手を付けられないでしょう。

特に、故人に骨董品や美術品などを集める趣味があった場合、通常より物が多いです。

なかには資産価値の高いものもあり、余計にどうしたらいいのか分からなくなるでしょう。

処分方法がわからない

遺品のなかには処分方法が分からないものがあるでしょう。処分方法が分からないと手が止まってしまい、そのまま遺品整理が進まずにつまずいてしまいます。

特に、ゴルフの会員権や土地の権利書、収集品などは処分方法が分からないものの代表例です。

これらのなかには、相続に関係するものもあり、勝手に処分したことで親戚とのトラブルへ発展してしまう可能性があるでしょう。

気持ちの整理がついていない

故人を亡くした傷は簡単に癒やせるものではなく、しばらくは気持ちに整理がつかないでしょう。

そのような心境では自身の手で遺品整理するのもつらく、思わず手が止まってしまいます。

特に、故人との思い出がある遺品は手に取るだけでも思い出が過り、心に傷を負うかもしれません。

また、大切な思い出の品を処分すると考えるだけでも、つらい気持ちになってしまうでしょう。

時間がない

遺品整理を行う人のなかには、普段から働いていたり育児に追われていたりして忙しい人がいるでしょう。

そのような場合には、遺品整理に時間をとることができず、作業が進まないことがあります。

また、家具などの大きな遺品を整理する場合には人手が必要となり、ほかの人とスケジュールを合わせなければなりません。

時間が取れないと日程調整がなかなかできず、余計に遺品整理が進まなくなるでしょう。

遠方に住んでる

故人と離れて暮らしていた場合、故人の家へ行って遺品整理するのには時間も出費もかかり、思うように遺品整理が進みません。

特に、自身が働いているとまとまった休みを取れず、故人の家へなかなか行けないでしょう。

また、大きな遺品を整理する場合やほかの親戚に判断を仰ぐものが多い場合は、故人の家へ集まらなければなりません。

そのようなときに故人の家が遠方だと、日程が合わず先延ばしになってしまうでしょう。

故人の遺品を捨てる方法と手順

遺品整理

先述した通り、遺品を捨てられないのにはさまざまな原因がありますが、遺品を捨てるにはどのようにしたらいいのでしょうか。

遺品を捨てる方法として、次の3つがあげられます。

  1. 処分しやすいものから手をつける
  2. 心の中にある感情を吐き出す
  3. 遺品整理業者に依頼する

それぞれの具体的な内容を見ていきましょう。

処分しやすいものから手をつける

処分しやすいものから手をつけることで、達成感を得られ遺品整理が進みます。

遺品整理に限らず部屋の片付けを始めると、次第にきれいになる部屋に達成感を得て、思いがけず片付けが進むでしょう。

遺品整理でも同じように処分しやすいものから手を付けることで、遺品整理が進んでいく場合があります。

理想的な方法としては、今日はここを片づけようと目標を細かく立てて達成しやすいゴールを作り、達成感を積み上げることがおすすめです。

達成感を得るとやる気が出て遺品整理が進んでいくでしょう。

心の中にある感情を吐き出す

心の中にある感情を吐き出すと気持ちに整理がつき、すっきりとした気持ちで遺品整理へ挑めます。

遺品に思い入れや故人との思い出が詰まっていると、遺品整理に対してネガティブな感情を抱いてしまうでしょう。

それらの気持ちを吐き出すことで、ストレスを解消して前向きな気持ちで遺品整理に挑めます。

おすすめの方法としては、自分の気持ちをノートなどへ書き出していくことです。

なるべく手を止めずに思っていることをありのまま書き出し、自分の気持ちを吐き出して心をすっきりさせましょう。

遺品整理業者に依頼する

遺品整理業者に依頼することで、迅速に遺品整理を終えられます。

業者は日ごろから遺品整理をしているため、作業に慣れておりスピーディーに終えてくれます。

ほかにもさまざまなメリットがあり、遺品整理が進まない場合には業者へ任せることがおすすめです。

ほかの詳しいメリットは後述するので、そちらを参考にしてください。

故人の遺品はいつから処分すればいいのか?

故人の遺品整理をいつ始めるべきか、多くの方が迷われます。

心の準備ができておらず、大切な人の形見に手をつけることに躊躇する気持ちは自然なものです。

ここでは、遺品整理の適切なタイミングと進め方についてご紹介します。

法的な手続きが一段落してから

故人が亡くなった直後は、葬儀や法的手続きなど、さまざまな対応に追われます。まずは以下の手続きを優先させましょう。

  • 死亡届の提出(7日以内)
  • 年金や健康保険の手続き
  • 相続手続きの開始

これらが一段落した後、精神的にも少し落ち着いてから遺品整理に着手するのが一般的です。

多くのご遺族は、四十九日法要の後から本格的な整理を始められる方が多いようです。

心の準備ができたタイミングで

遺品には故人の思い出や想いが詰まっています。

整理を始めるには心の準備も必要です。

無理に早く始める必要はありません。

ただし、あまりに長期間放置すると、家財の劣化や、家賃・管理費の継続的な負担などの問題が生じることもあります。

一人で整理するのが辛い場合は、次のような選択肢もあります。

  • 家族や親戚と一緒に整理する
  • 信頼できる友人に手伝ってもらう
  • 専門の遺品整理業者に依頼する

期限が決まっている場合

以下のような場合は、期限を意識して計画的に進める必要があります。

  • 賃貸物件の契約終了が迫っている
  • 不動産の売却や引き渡しが決まっている
  • 施設入居などで住まいの移転が決まっている

このような場合は、早めに専門業者への相談も検討しましょう。

特に物量が多い場合や、遠方にお住まいの場合は、プロの力を借りることで精神的・時間的負担を軽減できます。

少しずつ進める方法

一度にすべてを片付けようとすると、精神的にも肉体的にも負担が大きくなります。

特に「捨てられない」と感じる方には、以下のようなステップで少しずつ進めることをおすすめします。

  1. まずは明らかなゴミから:古新聞、使用済み消耗品など、迷わず処分できるものから始める
  2. カテゴリー別に整理:衣類、書籍、日用品など、種類ごとに分けて考える
  3. 思い出の品は後回し:写真やアルバム、手紙など感情的な価値が高いものは、心の準備ができてから

無理せず自分のペースで進めることが、後悔のない遺品整理への第一歩です。

▼詳しくはこちらの記事も参考にしてください

遺品を捨てることに罪悪感を感じる場合

故人の遺品を処分することに強い罪悪感を覚える方は少なくありません。「大切にしていたものを捨てるのは申し訳ない」「形見を処分するのは故人を忘れることになるのでは」という感情は自然なものです。このような気持ちに対処するためのヒントをご紹介します。

思い出は物だけに宿るわけではない

故人との思い出や絆は、物理的な遺品だけでなく、あなたの心の中にも確かに存在しています。すべての遺品を保管しなくても、思い出が消えることはありません。

写真に残す選択肢もある

特に大型の家具や、保管が難しいけれど思い出深いアイテムは、写真に収めてから手放すという方法もあります。デジタルアルバムなら場所を取らず、いつでも思い出を振り返ることができます。

一部を形を変えて残す

  • 着物や洋服をリメイクしてクッションカバーやバッグに
  • 食器の一部だけを飾り棚に
  • アクセサリーの素材を使って新しいアイテムに

寄付などで誰かの役に立てる

故人も、自分の持ち物が誰かの役に立つなら喜ぶのではないでしょうか。捨てるのではなく「次の方への橋渡し」と考えることで、前向きな気持ちで整理できることもあります。

  • 福祉施設や震災被災地への寄付
  • リサイクルショップでの販売
  • 必要としている知人への譲渡

遺品整理はプロの業者に任せた方が安心な理由

遺品整理

遺品整理は先述した理由から早く行うことがおすすめですが、さまざまな事情から作業が進まないことがあるでしょう。

そこでおすすめなのが、プロの業者に任せること。

おすすめの理由としては次の3つがあげられます。

  • 心理的、身体的な負担が軽減する
  • 遺品の価値や、処分の判断に困らない
  • 遺品供養ができる

それぞれの具体的な内容を見ていきましょう。

心理的、身体的な負担が軽減する

遺品整理をプロの業者に依頼することで、自身で遺品整理を行わずに済み、心理的または身体的な負担が軽減されます。

遺品整理は遺品の量が多いと何度も故人の家へ足を運ぶ必要があり、身体的な負担がかかる場合があるでしょう。

また、故人との思い出の品を整理することで心理的な負担がかかるおそれもあります。

その点、プロの業者に依頼をすれば故人の家へ行く回数が少なくなるうえ、思い出の品を自分で処分せずにすみます。

心理的または身体的な負担が軽くなるでしょう。

遺品の価値や、処分の判断に困らない

遺品整理業者は普段から遺品整理を行っていることで、遺品の価値や処分してはいけないものを把握しています。

個人で遺品整理を行うと、遺品の価値が分からないものや処分の判断に困るものが出てくるでしょう。

そのようなときに毎回手を止めて調べていたら、思うように遺品整理が進みません。また、処分してはいけないものを捨ててしまうことも考えられます。

一方、業者に任せれば遺品整理に慣れているため、価値があるものや処分してはいけないものを誤って捨てることはありません。

自分で遺品整理を行うより安心して任せられるでしょう。

遺品供養ができる

多くの遺品整理業者では遺品をお焚き上げをして遺品供養してくれます。

自分で遺品整理を行った後に遺品供養をしようとすると、神社や寺などお焚き上げをしてくれるところを探さなければなりません。

すぐに条件に合うところが見つかればいいですが、なかなか見つからないことがあるでしょう。

その点、多くの遺品整理業者では遺品供養などのサービスを行っています。業者に任せれば遺品整理から遺品供養まで行ってくれるので、最低限の手配ですむでしょう。

まとめ

さまざまな事情から遺品を捨てられず、遺品整理が進まないことがあります。

しかし、そのままにしていてもいいことはありません。もし、自身で遺品整理を行うのが大変ならば、プロである遺品整理業者に任せましょう。

プロに任せることで安心を買えるほか、心理的・身体的な負担を軽減できます。

遺品供養などのオプションもついているので、まずは自身の条件に合う業者を探してみましょう。