「生前整理」という言葉をご存知でしょうか。
生前整理は、相続のトラブルを防ぐためにやっておきたいことの一つです。
今回は、生前整理をしないと発生する恐れのある相続のトラブルとその理由をご紹介致します。
■生前整理とは
生前整理とは、生きているうちに身の回りにあるものを整理しておくことであり、終活の一種です。不要なものを処分し、本当に必要なもの、家族に残したいものだけを適所に整理します。
生前整理を行うことによって、ご自分が亡くなった時の遺品整理がスムーズになるため、家族の負担を減らすことができます。
■相続の観点からみる生前整理のメリット
相続を考える上でも、生前整理にはメリットが多くあります。
相続が開始されると、相続人全員で集まって遺産分割協議が行われます。そして、その際には「財産目録」という、財産の一覧表が必要になります。
生前整理をしておけば、その財産目録を作成しておくことが可能ですが、無い場合は遺族が色々と大変な思いをします。相続税の計算にあたっても、財産目録は重要です。
■生前整理をしないと相続トラブルを招く理由
もし、生前整理をしなければ、遺品整理を家族に任せることになり、家族の負担が増加してしまいます。
さらに、正しく整理が行われないことによって、以下のようなトラブルが生じることもあります。
1.廃棄される
ご家族に残したいと思っているものがあっても、その意思を伝えられなければ、廃棄されたり違う人に渡されたりする可能性があります。遺品の価値がわからずに高価な品物が廃棄されてしまうケースもあるでしょう。
2.遺産相続
親族が自分の遺産を巡って争うというトラブルもあります。例えば、相続財産があとから見つかったために遺産分割協議がやり直しとなってしまった場合、相続分をしっかりと指定しなかったために、自分の土地を巡って争いが起きてしまった場合などが挙げられます。
■トラブルを回避できる生前整理とは
1.財産目録の作成
上記のトラブルを防ぐためにも、まず、もの・財産の整理をする生前整理を行い、財産目録を作成するのがおすすめです。これにより、相続財産が明確になります。
2.生前の形見分け
形見分けは生前に行っておくのがいいでしょう。アクセサリーなどの高価な品物は、生前に贈与することで、渡したい人に渡したいものを確実に渡すことができます。
3.遺言を残す
生前に贈与できないものについては、法的拘束力のある遺言書の形式で相続人と相続分を明記しておくと安心です。
■まとめ
今回は、生前整理をしないと発生する恐れがある相続のトラブルについてご紹介致しました。
ただし、長年お住まいになった家では、数十年に渡って増えた家財や品物が多く、自分自身でもどこに何があるのかわからない…と言う事が起きてしまいます。
そのような時には、余生をより快適過ごすために、長年の生活でたまってしまった不要な物などを片付けて、大切なものだけを残されてみてはいかがでしょうか。
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