特殊清掃は大家や管理会社など一部を除けば依頼する経験がなく、どのような流れで特殊清掃が進んでいくのか分からない人が多いのではないでしょうか。
特殊清掃の流れを理解していないと万が一のことが起きた場合、気が動転してしまいどのように依頼すればいいのか分からないでしょう。
そこで、本記事では特殊清掃がどのように進んでいくのか流れを解説します。流れを把握して、万が一の時に備えるようにしましょう。
記事監修者プロフィール
遺品整理士歴10年、これまでに5,000件以上の遺品整理や特殊清掃に携わる。手がけた遺品整理で発見された貴重品のうち、お返ししたタンス預金の合計だけでも3億3千万円にも上り、貴金属などの有価物を含むと5億円近くの金品を依頼者の手元に返して来た。
遺品を無駄にしないリユースにも特化。東南アジアへの貿易を自社にて行なっており、それに共感を覚える遺族も非常に多い。また不動産の処分も一括で請け負い、いわるゆ「負動産」を甦らせる取り組みにも尽力して来た。
一般社団法人ALL JAPANTRADING 理事
一般社団法人家財整理相談窓口会員
一般社団法人除染作業管理協会理事
宅地建物取引士(日本都市住宅販売株式会社代表取締役)
株式会社RISE プロアシスト東日本
代表 仲井
ご依頼までの流れ
特殊清掃の依頼は、問い合わせを受けてから清掃する現場まで赴き、見積もりを出して金額に納得がいけば成立します。
ここでは、そんな特殊清掃の依頼までの流れを、問い合わせと見積もりに分けて解説。それぞれの注意点もあわせて紹介するので、流れとあわせて参考にしてください。
メール、電話でのお問い合わせ
特殊清掃への依頼は、まずメールや電話で遺族や親族、大家から問い合わせをうけることが多いです。
メールや電話のどちらの方法がよいかは決まっていませんが、急ぐようなら電話のほうがスムーズに話が進んでいくでしょう。
また、この時に「臭いがキツくてクレームがきている」「床の汚れがどんどん酷くなっている」など、急ぐ必要があれば伝えておくのがおすすめです。
業者によっては優先して駆けつけてくれることがあります。
ご遺体を発見したらまずは警察
ごくまれなパターンですが、ご遺族がご遺体を発見してしまい、動転して警察より先に特殊清掃へ連絡される方がいます。
しかし、原則としてまず事件性があるのか警察が調べる必要があり、特殊清掃はその段階で連絡を受けても動けません。
何をすればいいのかわからず慌てる気持ちはわかりますが、まずは落ち着いて警察へ連絡しましょう。その後、事件性の疑いが晴れてから特殊清掃へ連絡をして、依頼をしてください。
特殊清掃への連絡はなるべく早く
特殊清掃は葬儀や亡くなられた後の手続きなどが優先され、後回しにされがちです。
しかし、後に回せば回すほど臭いがきつくなったり、汚れが落ちにくくなったりなど悪化するおそれがあります。
悪化した分だけ原状回復するのに時間がかかり、費用が高くなるおそれがあるでしょう。
諸々の手続きで忙しいとは思いますが、特殊清掃は後に回さず、なるべく早く行うことが大切です。
現地に伺って見積もり(無料)
電話やメールである程度の状況をうかがったら、次は実際に清掃する家を訪れ見積もりを行います。
実際に清掃する家を訪れるのは、状態を把握して必要な作業や洗剤などを見積もりに反映させるためです。
また、状況を把握しながら今後は部屋をどうするのか、遺品整理もあわせて行うのかなど、確認します。
もし、遺品整理もあわせて行う場合は、遺品をどのように整理するのかこの時に確認するので、整理方法を事前に考えておきましょう。
なお、現地に伺っての見積もりは「有料じゃないの?」と心配する方がいるかもしれません。
しかし、現地の状況を直接確認することは特殊清掃を行ううえで大切なことのため、現地での見積もりは無料で行っています。
必ず事前に現場を見る業者を選ぶことが大切
たいていの業者は特殊清掃を行う前に事前に直接現場を確認して見積もりを行いますが、なかには当日に状況を確認する業者がいます。
このような業者を選ぶと予定していた見積もりと相違が出てしまい、あとから追加料金を請求されるおそれがあるでしょう。
そのような業者を避けるためにも事前に清掃する家を確認してくれる業者を選ぶことが大切です。
直接確認に来る分、見積もりが出るまで少しだけ時間がかかりますが、事前に直接現場を確認してくれる業者は追加料金が発生するパターンが少ないでしょう。
特殊清掃の流れ
依頼が成立すれば、あとは特殊清掃の当日を迎えるだけです。しかし、当日に行われる特殊清掃は工程が多いうえ、なかには時間がかかるものも。
ここでは、そんな当日に行われる特殊清掃の流れの詳細を解説します。まず、おおまかな流れが知りたい方は、[こちら](https://proassist-east.com/kodokushi/#i-8)を参考にしてください。
専用薬剤の噴霧
亡くなられた方の死因によっては、特殊清掃に入ったスタッフが感染症にかかるおそれがあるでしょう。
そのため、状況によっては清掃を行うにあたり、専用薬剤を噴霧して除菌や殺菌を行わなければなりません。
この専用薬剤は除菌や殺菌だけでなく消臭にも効果があり、専用薬剤の噴霧と臭いの元の搬出を繰り返すことで臭いを徹底的に除去します。
亡くなられた後の臭いは独特で市販の消臭剤などでは消せないため、専用薬剤の噴霧は大切です。
清掃
除菌や消毒を徹底して行い、部屋のなかに入れる状態になれば清掃を始めます。主な清掃の内容は次の通りです。
- 体液や血液で汚れた壁や床の清掃
- 床やカーテンなどに付着した病原菌の殺菌や除菌
- 必要に応じて浴槽内の清掃と水質検査
- 発生した害虫の除去
- 畳やフローリングの撤去
亡くなられた場所や状態、経過日数によって清掃の内容に違いがあり、紹介したすべての清掃を行うわけではありません。
事前に確認した部屋の状態と当日の様子にあわせて清掃を行っていきます。
清掃中に追加請求が発生する可能性はある?
清掃中の追加請求の発生ですが、基本的には見積もりの段階で事前に部屋の状態を把握しているため、追加請求が起こることはあまりありません。
しかし、極稀に床や壁、トイレなどを解体をして新たな汚れが発覚することがあります。
もし、そのような汚れが出てきた場合、勝手に追加請求することはありません。
必ず依頼主に追加請求が発生することを説明して了承を得たうえで、清掃作業を進めていきます。
遺品の取り扱いについて
清掃が進み部屋のなかがキレイになってきたタイミングで、遺品整理を始めます。
遺品の取り扱いは見積もりを出す時に、遺品整理を行うのか、遺品をどのように扱うのか決めているはずです。
当日は事前の取り決めに従い進めていきますが、下記の遺品はトラブルの元となるため、事前に片づけておいた方がいいでしょう。
- 通帳
- 現金
- 貴金属
- 銀行印
また、ほかにもどこになにを片づけているのか、事前に把握されていると遺品整理がスムーズに進みます。
必ずではありませんが、もし把握していたら、どこに何があるのか清掃員に伝え、遺品整理をスムーズに進めていきましょう。
消臭処理
遺品整理なども終えたらいよいよ最後の仕上げとして消臭処理を行います。
特殊清掃へ依頼をする方のなかには、「臭いがとれるのかが一番気になる」という方もいるでしょう。
特殊清掃の消臭処理では、生物の臭いに反応して消臭するオゾン消臭機が使用されます。
この消臭機は数ある消臭機のなかでも強力で、床や天井に染みついた臭いまで消臭が可能です。人が亡くなった後の独特な臭いも消してくれます。
消臭処理が終わったら部屋を確認してもらい、納得がいけば支払いを終えて特殊清掃は終了です。
特殊清掃作業はプロアシストにおまかせ
特殊清掃の流れを説明しましたが、実際に特殊清掃を依頼する立場に立つときには、家族や親族との悲しい別れを経験していて、心に余裕がないでしょう。
そのようなときには、遺族の気持ちに寄り添い頼りになる業者に任せたいもの。
プロアシストならご遺族の気持ちに寄り添った特殊清掃を行うだけでなく、清掃を通して亡くなられた方が残した思い出まで大切にします。
つらいときだからこそ、特殊清掃の実績だけでなく気持ちに寄り添うプロアシストにおまかせください。